絵本や漫画の図書室 |
むぎわら帽子と… |
暑い夏の日、少年夏樹は庭の水撒きをしていました。 |
ふと影が夏樹の顔をすり抜けました。 |
夏樹は慌ててむぎわら帽子を掴もうとしました。 |
手に取ると、何故だか一人の少女が目に浮かびました。 |
すると突然、むぎわら帽子が黄金に輝いて、夏樹を包み込みました。 |
ひょこっと一匹の妖精が現れて、夏樹は凄く驚きました。 |
妖精はそんな夏樹に「海に行こう!」と突然言い出したのです。 |
その海岸が、むぎわら帽子から発せられる光に包まれて、 |
妖精はむぎわら帽子に乗ってといいました。 |
夏樹は咄嗟に走り出していました。 |
その途端、凄い光が夏樹を包つみ、まぶしさの中、暖かさを感じました。 |
瞬間、夏樹はむぎわら帽子に乗っていました。「ええ?なんで?」 |
夏の大空を飛んでいくむぎわら帽子。風がなんとも心地よいのです。 |
前面に大きな海が見えてきました。 |
真っ青な海と空の境目。そこには大きな入道雲が立ちそびえていました。 |
妖精は「ほらあそこ」と指を差しました。 |
「あ」海岸には一人の髪の長い少女が座っています。 |
突如、夏樹はむぎわら帽子から落っこちてしましました。
「うわ!」大丈夫かな? |
少女はその声に反応して夏樹の方に振り返りました。 |
夏樹は尻餅をついて、しばらくは動けませんでした。
「いてててて」 |
すると少女は夏樹に手を差し伸べて「大丈夫?怪我はない?」と心配しながら、 |
少女の名前は「あすか」。手を引っ張って起こしてくれて、なんだかとっても |
夏樹はむぎわら帽子を持ち上げて「この妖精に連れてこられたんだ」というと、 |
するとさっきまで元気一杯だった妖精は、むぎわら帽子にちょこんと座り込んで、 |
むぎわら帽子と…おわり |